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【私立大学入試】大逆転合格を成し遂げること

「先生、立命受かりました!」

と満面の笑みで高3生が報告に来てくれました。

 

大学合格報告はもちろん全部嬉しいのですが、彼の合格はこれまた格別な合格。

 

立命館大学を第一志望としていましたが、彼にとってはかなりのチャレンジ校でした。高校の学内順位で考えても、なかなか厳しい戦いになることが予想できました。

 

ただ、彼は世界史が得意で、模試では毎回世界史が全体の偏差値を引き上げていました。定期テストでも学校内1ケタ台を取ることも。私の経験則ですが、社会が特別強い子は受験に勝てることが実に多いのです。

 

ただ、彼の場合受験の勝敗を分けることの多い「英語」は、最も苦手とする教科で、「やらなければならないのはわかっているけど、嫌すぎて向き合えない」と、もがいていました。

 

嫌な教科に毎日向き合わなければならない辛さ。

 

それでも日々の積み重ねで少しずつ少しずつ基礎力がついてきているように感じましたので、秋からは近畿大学の過去問を渡し、ひたすら解く日々。

 

合格の水準にはなかなか届かない時期が続いていましたが、何年分も解いているうちに、知識系の問題の安定感が出てきて、点数も少しずつ上がってきました。

 

秋も深まり、冬が近づくころに、立命館大学の問題に取り掛かり始めました。それまで取り組んでいた近畿大学の過去問とは段違いの難易度の高さ。単語がわからない、長文が全然読めない。苦しい日々が続いたと思います。

 

私は直接授業を持っていなかったので、会うたびに「近大の過去問なんぼ取れたん?」「質問ないか?」「英語いけてるか?」と声をかけていましたが、英語は本当にしんどかったと思います。それが毎回伝わってきました。それでも、向き合い続けた。質問に来て、相談に来て、言われたことを行動に移す素直さが彼にはありました。

 

最後までほとんどの模試は、E判定。

 

いよいよ大学入試本番の時期が訪れ、滑り止めも含めてすべての受験が終わりました。

 

終わったはずなのですが、彼は自習室に通い続けました。

 

なぜか?

 

「大学に入ったらTOEICとか受けるし、英語は勉強を続けようと思って。」

 

とのこと。

 

すげーな。と思いました。嫌いな英語なら、受験が終わると同時にすべて投げ出してもおかしくはない。徐々に自習室から生徒が減っていく中、彼は国立受験の子に交じって勉強をし続けた。

 

そういうとこやな

 

と私は思うのです。精神論かもしれませんが、彼のそういうところが、合格最低点のしっぽを片腕でがっちり掴み取ったんじゃないかと。

 

第一志望の受験が終わって、あとは実力相応校とか滑り止めの中期の受験期になると、なぜだか自習に来なくなる子が多い。受かったつもりなのか?と思いますが、そういう傾向にあります。そういう傾向にある中、彼は愚直に毎日通い、最後の最後の勝負まで手抜かりなくやり続けました。

 

彼のことをベタ褒めしていますが、もともとは実に意思が弱々しく、「しっかりせい」と言いたくなるタイプだったのです。でも、彼の素直さ、実は根底にある真面目さ、受験勉強を通して身につけた、苦手な教科に向き合う根性が合格を導いたのではないかと思います。

 

合格した立命館の結果ですが、英語がとても良かった。過去一ではないでしょうか。

 

彼は、世界史で受かったのではなく、むしろ英語で受かったのではないかと私は思っています。それは、彼のあきらめない不屈の精神が導いた、E判定からの大逆転合格なんだと思います。

 

大学入試は、これまでの人生で一番の試練であり、大学入試を通して高校生は大きく成長し得ます。彼は今後の人生においての非常に大切な糧になる、「やり抜く力」を、この大学入試を通して得たのではないでしょうか。

 

心から、おめでとうと言いたいと思います。大学でも引き続き、学び続けてほしいですね。